【花葬りて、夜】 市ヶ谷茅

花葬りて、夜 (フルールコミックス)

花葬りて、夜 (フルールコミックス)

  • 作者:市ヶ谷茅
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日: 2017-07-14

【あらすじ】
華道家元・夜野田朔芳(よのだ・さくほう)こと、
夜野田朔(よのだ・はじめ)の弟子兼付き人。
それが、明川了(あけかわ・さとる)の肩書だ。

住み込みで生活を始めた了と
朔の師弟関係は和やかで順調だった。

しかし、ある夜。
大手広告代理店の局次長である弓越に
愛人として抱かれる朔の媚態を目撃してしまい!?

弟子から師匠へ――狂おしい思いを秘めた手向けの物語。


生前の朔視点で描かれる了との
ひりつくようにエロティックな1話「才能と劣情」と
弓越との濡れ場を描いた掌編小説「良識と愛人」を
コミックス描きおろしで収録!



おすすめ度:★★★★★

試し読みはこちら↓


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花葬りて、夜【特典&描きおろしイラストエッセイ付き】(コミックシーモア)


********


市ヶ谷茅さんの最新刊。
枯れ専の私には外せない作家さんです( ◠‿◠ )

いきなりお葬式というインパクトのある作品。

華道家元の憂いを帯びた色気が
たまらない一冊です。
三角関係の三人中、二人おじさん。ヤッター




~気になるtnk修正情報~

ブツを描かないタイプのエロ。




ざっくりした感想はこちら。


「物語のつくりが面白い」

「わだかまりが解けた夜、そして」

「弓越さんが好みです」


以下、ネタバレありの感想です。




「物語のつくりが面白い」

冒頭からメインキャラの死で始まる衝撃のスタート。
生前の彼の事を弟子視点の回想で
語られていくというつくりです。

ある意味結末は分かっているはずなのに、
先が読めずに最後まで楽しめました。

何気ない冒頭のシーンにもう伏線が!

順調だった了の住み込み弟子生活に
パトロン・弓越の存在が影を落とし、
才能への羨望と嫉妬が絡み合い、
師弟関係は冷えたものへと変わっていきます。

ちょうど関係が微妙になった所で現在に戻り
主人公が朔の死への関与を疑われ、
読者側も「まさか…!」という気持ちになります。





「わだかまりが解けた夜、そして」

師匠・朔は仕事と私生活の
あらゆる面で了を魅了していきます。

弓越が訪れた翌朝の
気だるげな色気が半端ない。

シャツのボタン開けすぎ注意報。

そんな朔から誘われたら拒めないわけで。
関係を持った途端に態度が冷ややかになり
彼の気まぐれに苦しめられます。

が、やっぱりいけばなの才能がすごい。

大いけばな展のシーンは美しかった!
ひどい男でも魅力的だということが
十二分に伝わってきました。
お仕事BL好きにはたまらない展開。

大成功した大仕事の後に、
朔の口から正直な気持ちが語られ、
総てのわだかまりが解けます。

ここまで苦しかっただけにすごい幸福感。

これからもっとずっとうまくやっていける。
そう思ったところで唐突に思い出されます。

冒頭がお葬式だったことを。

この突き落とされ感…!





「弓越さんが好みです」

メインキャラは弟子の了と師匠の朔。
ですが私はパトロンの弓越さんが好きw

ゴツめのオヤジで、しかもエリート。
で、善良でカラッとした人なのです。
いい人だけに了に嫉妬されるw

この人はゲイで独身だし、
「愛人」じゃなくて「恋人」でいいのに
「愛人」関係になってしまったくだりを
あとがき見ながら想像すると楽しいです。

望むなら、遠慮しなくなった了とで
朔の取り合いを見たかったけど、
それは叶わず…(;_;)

おまけについてた弓越の濡れ場は
小説じゃなくて漫画で読みたかったです!

弓越の身体を見たかったぜ…




最後に同時収録の短編の感想もちょろっと。

■カフェ・ティミディテ

カフェのオーナー×若い郵便局員。
ごつい男の子のメンズブラ!!

市ヶ谷先生はフェチ心をくすぐるのがうまい。
愛撫をブラの上からか外すか
受けに選ばせるところがツボでした。






ミステリーっぽい雰囲気もあり、
大人の恋愛のほろ苦さもあり、
お仕事BLとしても面白く、大満足の一冊。

私は大人の恋愛の話が好きなので
楽しかったです!

ちょっと余韻を持たせるラストもいいですね。
果たされなかった約束を果たしに、
彼はどこに行ってしまうのでしょうか。
まさか…。



ところで、死から始まる作品として有名なのは
名作『トーマの心臓』ですが、

私は藤たまきさんの『銀のバッチ』
思い出しました。これも名作!



結末が分かってるだけに、
生前の輝いてる彼の姿が切ない。





ここまで読んでくださってありがとうございました。
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Tag:★5

COMMENT 3

NANA  2017, 07. 18 [Tue] 00:45

美しい才気と狂気を感じました

フルールのサイトで読んで、単行本になるの楽しみに待ってたんですよー、これ。

亡くなること確定での三角関係、私は「藤原征爾君追悼特集に寄せて」を思い出しました。

実は私、古流いけばな某会派の師範で、看板持ってるんです。
家元先生や会長先生直々に教わり、銀座のデパートのいけばな展にも出品経験があるので、朔と了の大いけばな展に向けての準備、そうそう、そうなんだよねと、より共感しながら読んでました。

才気と狂気、両方を感じる、切なくて美しく、そして哀しいお話、すごく魅力的でした。

>ちょっと余韻を持たせるラストもいいですね。
果たされなかった約束を果たしに、
彼はどこに行ってしまうのでしょうか。
まさか…。

私は、了は、まさか…の悲劇的エンドを選んだような気がします。
「始め」と「終わり」の意味を持つ朔と了の名前にも、意味を感じました。

Edit | Reply | 

NANA  2017, 07. 18 [Tue] 09:01

考えが変わりました

おはようございます。
連コメすみません。
寝る前にコメントした時は、了は哀しいエンドを選ぶような気がしていましたが、一晩寝て起きて、今朝になったら、感想が変わりました。

了は、朔が大いけばな展で認めさせ、真の意味で新しくスタートさせた紫芳流を、さらに発展させ、朔の理想を完成、完了する、家元になるような気がしてきました。
それが二人の名前の意味かなと思うようになりました。

やっぱり人間、夜と朝では気持ちが違いますね。
了も一晩、朔が最後に褒めてくれた花と一緒に夜をさまよって、一度はすぐに会いに行くことを考えたけれど、夜明けと共に朔の目指したその先を目指して、紫芳流を発展させようと、気持ちが変わるような気がしてきました。

私見をぐるぐる書き込みしてすみません。
それだけ考えさせられる余韻のある作品でした。

Edit | Reply | 

ハムコ  2017, 07. 18 [Tue] 19:56

>NANA様

NANAさん、こんばんは!
追加のコメントもありがとうございます(*^^*)

> フルールのサイトで読んで、単行本になるの楽しみに待ってたんですよー、これ。

私は初回を読んで面白そう!と思ったので
敢えてコミックス化を待ってました。一気読みしたくてw

> 亡くなること確定での三角関係、私は「藤原征爾君追悼特集に寄せて」を思い出しました。

あーー!!そうですね!!
あれも大好きなんです、私。

> 実は私、古流いけばな某会派の師範で、看板持ってるんです。

すごーい!詳しい方にも満足の内容だったのですね!
全然知らない私にも楽しかったですし。

ラストはどちらにもとれる余韻がよかったですよね。
私も最初哀しい方かなと思ったけど、
了って結構メンタル強いと思うんですよね。

> 「始め」と「終わり」の意味を持つ朔と了の名前にも、意味を感じました。

このネーミングも美しかったですよね。
心境によって受け取り方が変わるのもわかります。
それだけ想像の余地がある素敵な作品でした。

コメントありがとうございました♪

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