【成層圏の灯 全2巻】 鳥人ヒロミ


【あらすじ】
佐伯徹は写真のモデルを引き受ける代わりに、
喜瀬川英に食事とカラダを要求する。
遊びの関係だったはずが、どんどん深みにはまっていくふたり。
だが、喜瀬川には心の傷が。
彼はかつて実の叔父である聖と肉体関係にあったのだ――・・・。



おすすめ度:★★★★★

試し読みはこちら↓

成層圏の灯(1)

成層圏の灯(1)

成層圏の灯(1)




美術手帖で初めてお名前を知って、
今更ながら読んでみました。鳥人ヒロミさん。
この作品をおすすめいただいて、読んでみましたが・・・。

すっごく面白かった!!
めちゃめちゃ感動しました!!

久々にこんな骨太の作品を読みました!!
さすが「ボーイズラブ史上に残る感動の名作」

初出が93年で、8年にわたって不定期に連載されたもので、
絵はかなり古いし、絵柄も変遷があるのですけど、
お話も虐待だの近親相姦だのドラッグだの
なかなかハードなんですけど、
夢中になって一気に読み終えました。

ちょっとだけど、「河よりも長くゆるやかに」の頃の
吉田秋生さんっぽさも感じたかな。
ちょっと大人のお姉さんにおすすめの作品です。

何気にリバなので苦手な方はご注意を・・・。


ざっくりした感想はこちら。


「さらっとリバ」

「叔父と甥の蜜月」

「社会人編から立場が逆転」


以下、ネタバレありの感想です。




「さらっとリバ」

写真のモデルをきっかけに付き合うようになった二人ですが、
最初は佐伯攻めで、次は英攻めでと、さらっとリバってます。
その日その日で決めてるみたいでした。

「スマン やっぱりお前やってくれ」って交代してる時もありました。
「何で最近抱いてくれないんだ」ってケンカ・・・。(理由はしょうもない)
こんなリバ初めて見たな~。

大学時代の二人は、英が佐伯に一目ぼれだったので、
佐伯の方がちょっと力関係が上っぽいですが、
基本的には同級生なのですごく対等で仲良さそうでした。




「叔父と甥の蜜月」

強烈なトラウマ持ちの英の過去編はかなりシリアスでした。
母親から虐待を受けて、母の弟である聖に引き取られた英。
その叔父と近親相姦の関係に・・・という話。

母親から虐待され、叔父からも性的虐待?と思っちゃいますが、
そうとも言い切れない、そうじゃないとも言い切れない話でした。

6歳の英を引き取って、最初は大切に育てているんですが、
14歳になった英に欲情するようになってしまい、(聖はゲイ)
苦悩の末に抱いてしまう・・・という流れが詳細に描かれていて、
決して擁護はできないんですけど、納得してしまうというか・・・。

この日を境に二人は恋人のような関係になります。
初々しい華奢な少年の体が成長していく様や、
17歳になったある日についに立場が逆転するところは、
ショタや近親が苦手な私でも、かなりドキドキしてしまいました。
背徳感ってやつかな・・・。今だったら絶対出版できなさそう。

何気にこれもリバ?というよりポジションチェンジかな?

このままではいけないと、聖の方から英を手放したのですが、
果たしてこれは正解だったのかどうなのか・・・。
聖が生きていればよりを戻したのかな・・・とも思います。




「社会人編から立場が逆転」

英の愛が重荷になって、ついでに自分の人生にも自信を失って、
佐伯はいったん英を捨てるのですが、
別れている間の英が本当に痛々しくて辛かったです。

とにかく佐伯には相当イライラしました。
途中で英に懇願されて元鞘っぽくなってもすごくいい加減で!!

でも立場が逆転して追いかける側になった佐伯は
その後10年ぐらい英に尽くしまくったので許します・・・。

立場が逆転したからなのかはわからないけど、
社会人編はずっと英×佐伯で固定になってて
リバってなかった感じです。

英攻めの方が好きなので、私は嬉しかったです。
佐伯の騎乗位をもどかしくなって、舌打ちして、
ひっくり返してガンガンに攻めたのがお気に入り。
(ひっくり返すの大好きです)

最後にマナスルに登るところは死亡フラグだと思って
ハラハラしたけど、生還してよかった・・・!
あとがきによると、最初はやっぱり殺すつもりだったらしい。
気が変わってくれて本当に良かったです。

ラストシーンのウェルカム・ライトには号泣・・・。
いつまでもお幸せに・・・!





そうそう、読み切りの「薄紅」は切ないお話でしたが
結核患者と喀血直後にキスするのはいかがなものか。



ここまで読んで下さってありがとうございました。
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Tag:★5

COMMENT 8

なっち  2014, 12. 04 [Thu] 18:54

おじゃまします♪

「成層圏の灯」だったんですね〜♪
読むのかなり疲れませんでしたか?
かなりHP削られた気が…;
でも、最後はやっぱり泣けました。名作ですね。

聖さんの存在感がすごかったですね〜。
確かに、この人が生きてたらヨリを戻してたかも…。

あとがき読むと、当時の編集さんにブツブツ言われたみたいですが、鳥人さんが強い意思で描き続けてくれたから、多くはないけどその時のファンの人が支えてくれたから、今この本が読めてるんだな〜って、感謝したくなりましたよ(^-^)

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ハムコ  2014, 12. 04 [Thu] 22:03

>なっち様

なっちさん、こんばんは!

> 読むのかなり疲れませんでしたか?
> かなりHP削られた気が…;
めちゃくちゃ疲れました!
最後がバッドエンドだったらもう立ち直れなかったと思います。

> 聖さんの存在感がすごかったですね〜。
> 確かに、この人が生きてたらヨリを戻してたかも…。
どっちもホモだけど、佐伯の方が健全でマシですかね・・・。
そうなるとやっぱり死んでてもらわないとややこしい・・・。

> あとがき読むと、当時の編集さんにブツブツ言われたみたいですが、
確かに雑誌に不定期に載ってても人気が出なさそうです。
一気に読まないと面白くないかも。
鳥人先生がめげずに描き続けてくれてよかったです!

あと、「饒舌な試着室」と「彩おとこ」を読みました。
どれも濃くてパワーを使いました・・・。面白かったけど。

コメントありがとうございました♪

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箱マダム  2014, 12. 15 [Mon] 22:42

初めまして

ハムコさんのレビュー、ツボにはまってニャニヤしています。
初コメント失礼します。
鳥人ヒロミさんといい、明治カナ子さんといい、今時のライトな
デジBLに馴染んだ若い子には暗いとか重いとか、感じるのかなと
隔世の感があるのですが、わたしがこの分野にはまったのが、
三浦しをんのBL推しエッセイだったので、「成層圏シリーズ」は
わたしもすっげえ名作認識です。
リバはゲイの醍醐味だと思うので、このシリーズの描き方は
理想的です。
年上が若年者を導くってリバは「エマニエル夫人」的で。
鳥人ヒロミの最近の作品では、宝石屋の(タイトルわからない)が
面白かったです。

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ハムコ  2014, 12. 16 [Tue] 07:52

>箱マダム様

箱マダム様、初めまして!
「成層圏の灯」名作ですよね~。

> 三浦しをんのBL推しエッセイだったので、「成層圏シリーズ」は
> わたしもすっげえ名作認識です。
「シュミじゃないんだ」で紹介されてましたね!
私も最近読みました。

> リバはゲイの醍醐味だと思うので、このシリーズの描き方は
> 理想的です。
私もいいリバだったと思います。
仲良しっぽい英と佐伯も良かったですが
聖とのあの逆転する瞬間がしびれました。

> 鳥人ヒロミの最近の作品では、宝石屋の(タイトルわからない)が
> 面白かったです。
「ジュエリー・スイートホーム」かな?
また読んでみたいです!

コメントありがとうございました♪

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咲  2015, 02. 01 [Sun] 16:36

今更な感想

こんにちは♪゜・*:.。


『成層圏の灯』と『彩おとこ』と『ジュエリー・スイートホーム』を
読みました。


英のヘビーな半生が核になって、ホント読み応えありました。

鳥人さんが描きたかったと言っていただけあって、
聖さんとの日々が一番心に響きましたね。
山でバッドエンドじゃなくて本当にヨカッタヽ(;▽;)ノ。

鳥人さんがまっすぐな性格なのでしょうか。
気になるのは、第三者に関係をオープンにすることが多いような・・・。
ユカもだけど、『彩おとこ』では、周りの人が経緯を知ってたり。

「こっそり黒い」とか「ホントはデキてる」・・・みたいなのが好みなので、
そこがちょっと気になりました。(あくまで好みの問題です)


『彩おとこ』の攻2人は、とても好みでした。カラダがステキ←。

岩が肩を見せながら
「太ーくなっちゃうだろが」って言うとこにすごく萌えました~♪

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ハムコ  2015, 02. 01 [Sun] 19:24

>咲様

咲さん、こんばんは!

> 『成層圏の灯』と『彩おとこ』と『ジュエリー・スイートホーム』を
> 読みました。
おっ、読まれたんですね~。私もそれは全部読みました。
「銀座の恋の物語」と言う作品が「ジュエリー・スイートホーム」と
リンクしていて、オムニバスでしたが鳥人さんの中では
読みやすくて面白かったです。
鳥人さんの作品、面白いけど、HPを削られまくるんですよね(^_^;)

> 山でバッドエンドじゃなくて本当にヨカッタヽ(;▽;)ノ。
ほんとですよ!そんなラストだったらもう読めないです・・・。

> 鳥人さんがまっすぐな性格なのでしょうか。
> 気になるのは、第三者に関係をオープンにすることが多いような・・・。
確かにそうかも!「成層圏」の二人は結婚しますもんね。

> 「こっそり黒い」とか「ホントはデキてる」・・・みたいなのが好みなので、
> そこがちょっと気になりました。(あくまで好みの問題です)
う~ん、なるほど。「彩おとこ」もみんな知ってましたもんね。
確かに公言はしないけど、そっと出来てるの萌えます!
「真夜中を駆けぬける」の二人なんかまさにそうですよね~。

> 『彩おとこ』の攻2人は、とても好みでした。カラダがステキ←。
さすが咲さん、ぶれないですね!
最近九重シャムさんの「地獄めぐり」を読んだんですけど、
攻めがすっごくガタイ良くて体格差がすごかったので
何だか咲さんを思い出しましたw面白かったので未読ならぜひ。

コメントありがとうございました♪

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tea  2016, 07. 05 [Tue] 00:05

読みました!

ハムコさん

・・新刊も追えていないのに、古いの読みたい欲も止まりません。
名作と呼ばれているものは読みたいです!!
時代が・・。はやいです。93年初出ですか・・・。
ケータイあれば、とか。メールできれば、とか。後半のすれ違いってそんな感じ。
「留守電に録音入れるの苦手で・・」って。解りますけど、ダメ男の佐伯。
喜瀬川が摂食障害でやつれていく過程はギリギリと心が痛みました。
マナスルは本当に遭難フラグだと思って、恐怖でしたが、生還してくれて良かった・・。
人と人のつながり、絆のようなものをとても感じるお話でした。
別れていた間のそれぞれのお相手が、それなりに良い人たちだったので、
彼らも幸せになってほしいな・・と思いました。
長い年月かけてコツコツと完結させた作者さまの熱意が素晴らしいです。
終わらせる圧力など、あったんですね・・。
駆け足にならず、最後まで描ききられたことがすごいです。
・・展開のよめる安心ストーリーも和みますが、人の心の深淵に切り込んでいくような作品って読み切ったあとの充足感が気持ちいいですね。

結核患者とキスは、このお話では解っていてのことだと思うので、
「共にしんでもいい」ということだと思います。医者ですし。
短編ですし少し覚悟は見えづらいですが、そういうことかな・・。と。

・・新刊読めないと過去記事コメしてしまいます。
古い作品もハムコさん買いしているので、またお邪魔させてください<(_ _)>

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ハムコ  2016, 07. 05 [Tue] 05:48

>tea様

teaさん、おはようございます!

> ・・新刊も追えていないのに、古いの読みたい欲も止まりません。
> 名作と呼ばれているものは読みたいです!!

いや、古いの面白いの多いですよ!
これぐらい骨太な漫画今はなかなかないと思います。

> 時代が・・。はやいです。93年初出ですか・・・。
> ケータイあれば、とか。メールできれば、とか。後半のすれ違いってそんな感じ。

確かに今の世の中なら解決してること多いかもしれないw

> 喜瀬川が摂食障害でやつれていく過程はギリギリと心が痛みました。
> マナスルは本当に遭難フラグだと思って、恐怖でしたが、生還してくれて良かった・・。

そうなんです!最初コロス予定だったって、鳥人先生容赦ない!!

> 別れていた間のそれぞれのお相手が、それなりに良い人たちだったので、
> 彼らも幸せになってほしいな・・と思いました。

そうですね~。唯さんは幸せになってたみたいで良かった。
(しかし容貌が変わりすぎててびっくりした)

> 長い年月かけてコツコツと完結させた作者さまの熱意が素晴らしいです。
> 終わらせる圧力など、あったんですね・・。

50Pを単行本になるにあたって130P以上に描き直したんですもんね。
こだわりがすごい!!
今は商業活動はされて内容で残念です…。
その描き方だと商業では辛いのかも?

> 結核患者とキスは、このお話では解っていてのことだと思うので、
> 「共にしんでもいい」ということだと思います。医者ですし。

なるほど、心中みたいなものですね。
そうか~。やだうつる!!って事ばっか考えてましたw

> ・・新刊読めないと過去記事コメしてしまいます。
> 古い作品もハムコさん買いしているので、またお邪魔させてください<(_ _)>

どんどん来て下さいね~。まってます(^v^)

コメントありがとうございました♪

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