【大きなサボテンの木の下で】 歩田川和果


【あらすじ】
二股三股は当たり前、いろいろな相手と付き合っては
別れるという日々を繰り返す元恋人の陽生。
そんな陽生を別れた後も想い続ける主人公・巧。
恋人ではなく、友人として――
9年9ヶ月の間、二人はそんな関係を続けてきた。
食べられる側と食べる側――長い歴史の中、
ガラパゴスで独自の進化を遂げ合うサボテンとイグアナのように、
10年近い歳月の中で新たな関係を模索しあう二人。
果たしてその行き着く先は……。



おすすめ度:★★★★


お人よしヘタレ攻め×ろくでなし浮気受けのお話。
う~ん、これ、かなり好き嫌い別れると思いますが、
私はすごく面白かったです。

一途でないとダメ!って方には全然おすすめできません。
でも・・・こういう愛の形もあるのかもしれないな・・・と
不思議と納得してしまう、そんな漫画でした。


ざっくりした感想はこちら。


「直接描写がないから想像させられる」

「思えばいつも特別なのだ」

「最後に残るのは“好き”と“一緒にいたい”」


以下、ネタばれありの感想です。





「直接描写がないから想像させられる」

10年前に一カ月だけつきあった二人。
今では月一くらい会うセフレのような関係です。
別れた理由は陽生の浮気で、今も何股も掛けています。
でも、巧は今でもずっと陽生のことが好きで・・・と言う話。

友達として傍にいられるだけで納得している、と言っても
やっぱり傷つかないわけではないです。
でも、傷ついたり嫉妬したりするシーンは直接は描かれません。
別れた時のシーンも、モノローグで淡々と語られるだけ。

だからこそ、その悲しみや切なさが静かに心に来ます。

エッチシーンも、友達の浅井のボディペインティング入りセックスも
直接描写はないんだけど、想像をかきたてられて色っぽい。

ほぼ会話だけで淡々と進むつくりや、
特徴的な絵柄。不思議な吹き出し。
そんなものが独特な世界観を作りだしています。




「思えばいつも特別なのだ」

結局は陽生もいつも巧を特別扱いしていて、
すごく好きなのだということが、読んでいると伝わってきます。

別れてから9年9カ月と細かくカウントしているのも、
別れた恋人なのにあえて友達関係を続けているのも、
他の人は絶対入れない自分の部屋に入れるのも、
全部巧のことが一番好きだから。

そんなに好きなら、浮気なんかしなければいいのに。
と思うけど、貞操観念は全然ないんですね・・・これが・・・。




「最後に残るのは“好き”と“一緒にいたい”」

10年かけて結局二人はよりを戻すことに。
よりを戻したといっても、
相変わらず陽生の浮気癖は治りません。
「清算するけど浮気はする」・・・っておい!

「でも一生おまえがいちばん好きだ」って言う言葉に
何だか納得させられてしまうんです。う~ん、不思議。
確かに、愛は感じるんです。でも、貞操観念はないんです。

納得しちゃだめだよね・・・と思うんですけど、
悲しいこと、辛いこと、色々あったはずなのに、
やっぱり好きで一緒にいたくて、一生別れたくないんです。

あの三股掛けられてた10年前だって
本当は別れたくなかったんです。


あ~・・・もう・・・しょうがないよね・・・って感じでした。
でも、これも幸せの形なのかなって思いました。


最後のページのポストカードの言葉がシンプルすぎて、
だからこそ本当だなって思いました。



これ、ダメな人は全く受け付けない話だと思います。
私も普段は浮気なんて全然だめなんですけど、
不思議と本気は一人だけなんだって言う言葉が
信じられてしまう・・・なんとも不思議な漫画でした。



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Tag:★4

COMMENT 2

箱マダム  2015, 02. 21 [Sat] 15:54

ほかにも

歩田川さんの演劇的なモノローグや
ひょろ長いシルエットの男性や、
風船のように交差する不思議な吹き出し、
大好きです。

「サボテン」の淫乱受けも、歩田川さんが描くと
ぜんぜん薄い感じがします。
エロ薄目でも、私が腹いっぱいになる唯一の作家さんです。
「チョークの橋」「ねくたいや」が好きです。

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ハムコ  2015, 02. 22 [Sun] 08:26

>箱マダム様

箱マダムさん、おはようございます!

これ多分淫/乱が引っかかってて迷惑コメントに入っちゃってました><
お返事遅くなってすみません・・・。

モノローグ、演劇的!そう、その通りです。
う~ん、その言い方すごくしっくりきました。

私も「ねくたいや」は読みました!
あれもすごくしみじみキュンとして好きでした。
そうなんですよ~、そんなにエロはないんですけど、
何だか胸いっぱいになる不思議な漫画なんですよね。

他の作品もチェックしたいと思います(^v^)

コメントありがとうございました♪

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