【ふったらどしゃぶり】 一穂ミチ


ふったらどしゃぶり_When it rains it pours (フルール文庫ブルーライン)

【あらすじ】
同棲中の恋人とのセックスレスに悩む一顕。報われないと知りながら、一緒に暮らす幼馴染を想い続けている整。ある日、一顕が送信したメールが手違いで整に届いたことから、互いの正体を知らぬまま、ふたりの奇妙な交流が始まった。好きだから触れてほしい、抱き合いたい――互いに満たされない愛を抱えながら、徐々に近づいていくふたりの距離。降り続く雨はやがて大きな流れとなってふたりを飲み込んでいく――。



おすすめ度:★★★★★

試し読みはこちら↓

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours




新刊待ちの隙間に小説の感想を。
すごく人気のあるこの作品、今更ながら読みました。

セックスレスがテーマなので重めですが
色々考えさせられたし、面白かった!

「ふったらどしゃぶり」の瞬間が
すごく気持ち良かったです。


女性キャラが出張ってくるので苦手な方はご注意を。



ざっくりした感想はこちら。


「雨が雰囲気を出している」

「まさに、ふったらどしゃぶり」

「大切なのは相手に寄り添う心」


以下、ネタバレありの感想です。





「雨が雰囲気を出している」

この作品の大事なシーンではいつも雨が降っています。

雨音がうるさい事も、静かすぎる事も、
恋人といればむしろ幸せなことなのに、
一人だと一層孤独を感じる要素になる。

雨も構わず飛び出したかと思えば、
ふと我に返るきっかけも雨。

これがしっとりした雰囲気ですごく素敵です。

最後は雨が止む気配を感じさせて終わるのも
すごく素敵だったな、と思いました。




「まさに、ふったらどしゃぶり」

好きな人にセックスを拒否されるという
人に言えない共通した悩みを持つ二人が
交流を持つうちに距離を縮めていきます。

全然性格の違う二人がポンポンと言いあうのは
読んでいて楽しかったです。

期待。不満。好意。不安。愛情。悲しみ。
雨粒のようにぽつぽつと降り続けた感情が
ついに決壊する瞬間がやってきます。

まさに、ふったらどしゃぶり。

急にセックスすることになったので、
最初は唐突だなと思ったんですが
再読したらそれでいいんだなと思えました。
こうするしかなかったんだなと。

そして…ここからは、
何回するんだ!!って言うくらいしてるw

「この身体がいらないなんて、
ぜいたくなやつがいるんだなぁ、ってさ」


と整に言われた一顕が
泣きそうになっちゃうシーンがグッときました。




「大切なのは相手に寄り添う心」

実を言うと、かおりの気持ちだって分からなくはない。
セックスは面倒だって思うこともありますよね。

でも、問題はセックス自体じゃないと思う。
自分中心で相手を思いやらなかったことでしょう。

かおりは無神経で高慢だなって思います。
別れ際のビンタにもちょっとムカつきました。

そしてぶっ壊れた彩子さんが怖かった…
初対面の男にぶっちゃけ過ぎ~!

でも、あれは旦那が悪いですよね。
一緒に悩んで努力した結果の試験管ベビーなら
彩子さんも文句は言わなかったと思うのに。
挿入できなくてもできることいっぱいあるし!

お互いがセックスレスなら無問題なのだから
彩子さんの夫とかおりが結婚したらいいのにと思ったw


あと、和章。
好きだったならそれなりの態度を示してくれ…。
あれほどスルーしてきたのに今頃遅いわ!

トラウマがあるのは分かったけど、
余りにも整の気持ちを踏みつけにし過ぎだよね。
本当は両想いだったのにと思うともったいない!

『ふったらどしゃぶり』だけでは
和章の気持ちが理解不能だったのですが、
続編の『ナイトガーデン』で明かされていきます。





抱きたい、抱かれたい。触れあいたい。
素直にそう言いあえる二人が
ちゃんと恋人になれたいいラストでした。

「俺に飽きても、俺の身体には飽きないで」
なんて、普通だったらおかしなセリフにも
却ってキュンときちゃいましたね。



竹美家ららさんの描いた表紙も良かったです。
あえて目線を合わせていない二人がいい。

読んでいる間、BLには関係ない事も
いっぱい考えてしまいましたけど、
すごく面白かったです。
続編の和章が主人公の『ナイトガーデン』もおすすめです。






ここまで読んで下さってありがとうございました。
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Tag:★5

COMMENT 2

箱マダム  2015, 12. 08 [Tue] 17:02

ど・しゃぶられたい

読中ドキドキが止まりませんでした。
雨を乞う。
粒を受ける直後の不快と、開き直ってあっけらかんと
スコールを浴びる爽快感と高揚を、ああ・そうだったと
頷きながら読んでいました。

一穂さんの描く整はきれいだけど言葉も男らしく
繊細だけどおもいきりもいい、けして受動的ではない人。
どのキャラも造形が生身の人間らしくてすきです。
かおり、にもわたしは共感できました。

若い女の都合のいい植物性。
でもつまはじきはイヤ。性愛の対象ではいたい、と。

もう男女性愛界は解脱したのでね。
性愛の高まりや熱烈な情熱を場外から眺めてたくて
BLにハマってるんです、わたし。

一穂さんの「ステノグラフィカ」も名作ですよ。
ノンケおじさん×じじむさ純青年。

Edit | Reply | 

ハムコ  2015, 12. 08 [Tue] 22:42

>箱マダム様

箱マダムさん、こんばんは!

ほんと雨が効果的というか何と言うか…
ドキドキしましたよね~。

> 一穂さんの描く整はきれいだけど言葉も男らしく
> 繊細だけどおもいきりもいい、けして受動的ではない人。

そうですね、ちゃんと男性だなと思わせて、
でも現実にはいない繊細さがいいバランスでした。

> 若い女の都合のいい植物性。
> でもつまはじきはイヤ。性愛の対象ではいたい、と。

かおりの気持ちは分かる気はします。
だからこそ、ずるいよな~とも思いますw

日本人は性的なことは「はしたない」という感覚があるので、
セッ/クスしたくない人よりセッ/クスしたい人の方が
何だか立場が弱くなってしまう気がしますね。
淫/乱とか言われたらもう言えなくなっちゃいますもんね。


> もう男女性愛界は解脱したのでね。
> 性愛の高まりや熱烈な情熱を場外から眺めてたくて
> BLにハマってるんです、わたし。

解脱!仙人みたいw
でも場外から眺めてたくてBLって言うのは分かる!
無関係でいられるから楽しめる気がします。

> 一穂さんの「ステノグラフィカ」も名作ですよ。
> ノンケおじさん×じじむさ純青年。

新聞社シリーズですよね。
「アンフォーゲタブル」だけ読みました。まあまあでした。
「ステノグラフィカ」の方が面白かったのか…。
シリーズ全部読んでなくても大丈夫かな?

コメントありがとうございました♪

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